2016年11月27日(日曜日)
それは、サッカーブラジル全国選手権一部リーグ(Copa do Brasil)の決勝戦の日。
イタリア移民たちが作ったサンパウロのチーム:「パルメイラス」が、1994年以来、22年ぶり、9度目の優勝を飾りパルメファン一同は歓喜しました。
パルメイラスは、全国選手権8度(今回除く)の名門と言われながら、1994年以降、成績は低迷が続き、2012年には、二部リーグに落ちてしまう有様。そんなパルメイラスが優勝を果たし、ブラジル・サンパウロのパルメイラスファンたちは、心底その優勝に酔いしれておりました。
その時のパルメイラスの相手が、当時最も急速に力をつけてきた若いチーム:『シャペコエンセ』
ところが、その翌日28日夜、誰もが想像も付かない程の大惨事が発生。
この前日、パルメイラスと決勝戦を戦ったシャペコエンセ(サンタカタリーナ州)は、ブラジル国内選手権にこそ負けはしましたが、南米クラブ選手権(Copa Sul do Americana)の決勝戦にはまだ勝ち残っており、
まさに、コロンビアの強豪:アトレチコ・ナシオナルと最終戦を戦う為に、敵地に向かうその途中で......飛行機の遭難事故にあってしまったんです.....。
会長や監督、有力選手の殆どがそのフライトに乗っており、チームが一瞬にしてほぼ全滅という状況に....。
ボリビアのチャーター機「ラ・ミア」による大惨事航空事故でした。
シャペコエンセの選手19名、チーム会長・監督を含むチーム関係者24名、ブラジルの有名記者を含む記者20名、乗務員7名、整備士1名の71名が死亡(生存者は、選手が3名、記者1名、乗員2名)。この中には、かなり有名なスポーツ記者・解説者も含まれていました。
これらの写真は、
12月3日(土曜日)、ブラジル軍の軍用機で運ばれた選手たちの合同葬儀が、シャペコエンセの地元:サンタカタリーナ州:シャペコー市のホームスタジアム、アレーナ・コンダーで行われた様子です。
事故発生の5日後、その71名の遺体は、ブラジルの其々の地元に速やかに運ばれ、葬儀が執り行われました。
土曜日当日は、ブラジルのTV各局は、朝からこの小さい町の葬儀の模様を流し続け、どこに行ってもこの合同葬儀の生放送がブラジル中で流されていました。
シャペコー市は、割とイグアスの滝に近い側にある人口20万人前後の、農業を主産業にした小さな、小さな町です。
チーム:シャペコエンセ(シャペコーの人...みたいな意味)は、1973年創設され、、歴史あるチームばかりが林立するサッカー王国:ブラジルの中では、新しく、小さく、まだ若い選手ばかりで構成されたチームでした。それでも、徐々に力を付け 2009年以降、名だたる強豪を抑え、常に一部リーグに留まるほどの躍進してきたチームになっていました。
日頃は、それほど目立たなく、地元でのみ愛されているぐらいのチームでしたが、前日に行われたパルメイラス戦の相手だった事、また今後、活躍が期待される若い選手が沢山いた事、また、フロントが本当にやる気があり、南米選手権に優勝争いをするほど実力をつけ、ブラジルの中では注目されるチームになりつつあった事等、本当にこれから何かを起こすのではと期待されたチームでした。
大勢のファンや親族・家族が大勢待つスタジアム...
TVを観ているブラジル人たちも涙しています。小さな町が全体が悲しみに包まれました。
我々がTVを見守るサンパウロは晴れているのに、この葬儀が行われているシャペコーの町は、大雨です。
町中が泣いています...皆、ずぶ濡れになりながらスタジアム内は嗚咽で溢れていました。
昨日まで、南米で優勝だぁ~!と期待で胸を膨らませていた矢先のこの暗転...
何が起こったのか、心の整理がつかない地元の人達ばかりかもしれません....
写真はまさに墜落した飛行機....
数々の報道とは異なり、急ごしらえし準備した飛行機には見えません。小さいけど立派な機体です。態々この日の為に、シャペコエンセの塗装までして準備していたように見える機体です。見た感じは、決して、古く、整備不良の機体にもとても見えませんでした...
それ程、名誉なこの業務を、飛行機会社が手を抜くなんて有得るのでしょうか....
あのメッシも、同じ飛行機(事故機)に、過去に乗った事があるそうです。そういう意味では、沢山の有名サッカー選手達も頻繁に利用していた航空会社・飛行機なのかもしれません....
犠牲者になった元Jリーガー達(日本でもプレーした人たちが含まれていました)
...wikiより...
1.カイオ・ジュニオール - 監督。2009年ヴィッセル神戸監督
2.エヴェルトン・ケンペス・ドス・サントス・ゴンサウベス
- 2012年セレッソ大阪、2013年-14年までジェフユナイテッド市原で(13年J2得点王)
3.クレーベル・サンタナ・ロウレイロ - 2005年柏レイソル
4.ウィリアン・チエゴ・ジ・ジェズス - 2010年京都サンガF.C.
5.アルトゥール・ブラジリアーノ・マイア - 2015年川崎フロンターレ
なんと、飛び立つ直前のインタビュー動画も残っています...
www.youtube.com
ちなみにパイロット名は
『ミゲル・アレハンドロ・キロガ・ムラカミ機長』...この名前...もしかして日系人...
フライト前にはTVのインタビューも受け、しかも副操縦士は、女性です。
その後、ブラックボックスの解析も終わり、事故の主因はなんと!『燃料切れ』...と発表されましたが...こんなに見た目がしっかりした感じの会社が...俄かに信じられません...そんなアホなぁ...
ブラジル南部の片田舎....きっと、本当に純朴で、優しいブラジル人たちが、慎ましやかに平和に暮らしていたに違いない地域...そんな場所に突然、降り掛かった今回の大惨事。
ああ、観てられない...
...もうこれ以上、俺の大好きな心優しいブラジル人達を痛めつけるのは止めてくれ...と、当時はTVを観ながら思ったものである...
最後にその時の、
サッカーの王様:ペレからのメッセージ:『ブラジルのサッカー界は、悲しみのどん底だ。何という悲劇が起こってしまったんだ。これからの未来があった若者達ばかりなのに.....』
...という事件でした...
以上